【血管肉腫】岐阜大学動物病院へ26回目の通院。今回も腫瘍が見つからない！？

岐阜大学動物病院へ行くまでの敷地内にある道路。

警備員さんのゲートを越えると２ヶ所、スピード抑制するハンプ工法がしてあります。

ハンプ工法とは？

通行する自動車の速度を抑制するために道路上に設けられたカマボコ状の突起

Wikipediaより引用

ララは、あの山になった道路が大の苦手。

シエンタにララの家（スモールエッグ）を牽くためヒッチメンバーを取り付けていましたが、低い位置に取り付けてあったため段差は、斜め横断しないとヒッチメンバーが地面に擦れてしまい「ガシャン」と金属音が鳴ります。

ララは、その音が大嫌いです。

注意していたのに１度だけ、病院へ行く道中で擦れて「ガシャン」とやってしまいました。

その後、病院へ行く時だけブルブルと震えます。

今はヒッチメンバーを外しています。

気分転換に違う車で行っても、ハンプの手前からブルブル。

嫌な記憶は忘れませんね。

しかし・・・帰り道は何故か？なんともないのです。

不思議です。

待ち時間中はマッサージをしてもらう

今回は、血液検査の結果を聞くまでに１時間以上待たされました。

ララは、マッサージしてもらいながら待機中。

今回も腹部エコー検査で腫瘍が見つからなかった

心臓や肝臓にあった腫瘍は消えてしまったのか？

お腹にガスもありましたが、腫瘍は見当たらなかったそうです。

ドキソルビシンの副作用で心臓機能が低下

心臓のバイオマーカー検査でわかったこと。

心筋のトロポニンの数値とNT-proBNPの検査をしました。

心筋トロポニンとは？

心筋トロポニンは、心筋細胞のタンパクです。

『心筋トロポニンIを用いた心疾患犬の臨床的評価』（PDFをダウンロードしてください）

著者：平島 康博, 堀 泰智, 近澤 征史朗, 金井 一享, 星 史雄, 伊藤 直之

歴史の浅い検査ではあるが、かなり優良な検査。心筋（心臓の筋肉）にトロポニンというタンパク質がある。

通常であれば血中に流れてこないようなタンパク質。結構、早期から上がってくる数値で、ドキソルビシンを打って心筋に影響してまだ症状が出てくる前の段階から上がってくる数値です。

症状が出てからでは遅い。

ララの場合、ドキソルビシンを打って心筋に影響していてトロポニン数値が0.163ng/mlと基準値よりも高い。

海外の検査だともう少し基準値の範囲が狭く0.05ng/mlまで。日本の検査会社では0.1ng/mlと高い所まで許容しているが、それよりも高かった。

ドキソルビシンで心筋に負担がかかってしまった。

NT-proBNPとは？

NT-proBNPは、心筋のストレスマーカー。

心室（心臓のポンプの送り出す場所）心室で負荷が掛かったときに上がってくる数値。

ドキソルビシンの副作用として、拡張型心筋症という心臓のポンプとして収縮する力が無くなってしまう病気を起こす。

ララの場合、基準値が900のところ1283pmol/Lと高い。

ドキソルビシンは、心臓への負担が大きく中止になりました

心臓に症状はまだ出ていないが、心臓の収縮率を高める薬ベトメディン（慢性心不全治療薬）を処方されました。副作用はないです。

今回の血液検査結果は？

白血球数も9100と高くなっていました。心嚢水もなし。

抗がん剤の種類を変更する

ドキソルビシンは心毒性のある抗がん剤なので、抗がん剤の種類を変更することになりました。候補として２つ。

テモゾロミド（内服薬）

１クール、３～４週間に１回５日間連続投与。

血管肉腫に単独というよりは、ドキソルビシンと併用するとより効果的な薬。

メリットは、注射を打たなくてよい。副作用は非常に軽い。白血球数は減ってしまうがあまり影響はない程度。たまに一時的にお腹にくる子がいる。

ビンクリスチン（静脈注射）

ドキソルビシンと併用して使うことがあるが抗がん剤の力としては、ビンクリスチンの方が作用が強い。

血管肉腫に対して、細胞株といって中細胞を育てて何に抗がん剤に効くか研究したデーターがあるがビンクリスチンは効いている。

しかも、インデラル錠との相乗効果も非常に強い。

１クール、１～２週に１回。

副作用は、白血球数や血小板が下がったりする。お腹にくる子もいる。

お腹にくる子でも２、３回目と回数を重ねると出なくなることもある。

心毒性はなし。

主治医の先生と相談し、『ビンクリスチン』に変更します。

ドキソルビシンによって心臓の機能が低下してしまったが、その後は回復することはない。心臓は疲れない臓器でダメージを受けて欲しくない強い臓器でもあるが、受けてしまうと残念ながら回復することは殆どない。

薬で収縮力、心臓のポンプの力を補ってあげたい。

インデラルを飲んでいて全身の血管を拡張すると収縮率を保てば、薬を飲むことで心臓は楽になる。

体に送り出す力が少し少なくて済む。

処方されたお薬

• ベトメディン5mg 1錠/朝と夜・・・慢性心不全治療薬が処方されました。
• インデラル錠　2.5錠/朝・夜
• セレニア60　３日間分・・・吐き止め薬

抗がん剤を打った日は、安静に。走り廻るのは翌日からです。